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9月23日(日) | CONGRATULATIONS. いつまでも幸せなあなたでありますように。 モブ・ノリオ 『介護入門』 (文春文庫) 評価:1。 西澤保彦 『方舟は冬の国へ』 (光文社文庫) 評価:4。 カフカ 『変身/掟の前で』 (光文社古典文庫) 評価:3。 樋口有介 『ぼくと、ぼくらの夏』 (文春文庫) 評価:4。 早瀬乱 『三年坂 火の夢』 (講談社) 評価:4。 |
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9月9日(日) | 皆さん台風は大丈夫でしたでしょうか。 火曜。会社から帰宅中に雨に降られる。傘もなくずぶ濡れ。 水曜。昼食を買いにちょっと外出したら雨に降られる。傘もなくずぶ濡れ。 木曜。帰宅時間には台風の周縁部の暴風域に巻き込まれる。傘なんて役に立たずずぶ濡れ。 金曜。台風のせいで電車が止まり一時間遅刻。ちなみに朝はやはり傘が役に立たずずぶ濡れ。 神様、これは僕に会社辞めて砂漠にでも行って雨を降らして地球環境を改善しろという啓示でしょうか。 鳥飼否宇 『中空』 (角川文庫) 評価:2。 詠坂雄二 『リロ・グラ・シスタ』 (光文社カッパノベルス) 評価:3。 |
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9月1日(土) | 戻ってきました。 といっても戻ってきたのは3週間近く前ですが。 心の洗濯は大切。 凄く大切。と実感した8日間でした。 ![]() 福岡伸一 『生物と無生物の間』 (講談社現代新書) 評価5。 岩根国和 『物語 スペインの歴史 人物編』 (中公新書) 評価:2。 道尾秀介 『ソロモンの犬』 (文藝春秋) 評価:4。 絲山秋子 『逃亡くそたわけ』 (講談社文庫) 評価:4。 霧舎巧 『新本格もどき』 (光文社) 評価:1。 齋藤純 『銀輪の覇者(上・下)』 (ハヤカワ文庫) 評価:4。 牧野修 『水銀奇譚』 (理論社) 評価:4。 大崎善生 『ロックンロール』 (角川文庫) 評価:3。 |
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8月11日(土) | しばらく旅たちます。 ということでいきなり企画をぶちあげておいて何ですが、夏休みをいただいたということで、1週間ほど行方不明になります。帰ってきたら、少しゆとりが出来るので、きっと更新されていると思います(きっと)。 ところで、最近の日本、暑くないですか。 垣根涼介 『』午前三時のルースター』 (文春文庫) 評価:4。 芦辺拓 『紅楼夢の殺人』 (文春文庫) 評価:3。 津原泰水 『ルピナス探偵団の当惑』 (創元推理文庫) 評価:2。 石崎幸二 『首鳴き鬼の島』 (東京創元社) 評価:3。 |
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8月2日(木) | ミステリ・フロンティア。 しばらく前からミステリをよく読むようになって、今一番楽しみなレーベルとなっているのが、東京創元社のミステリ・フロンティアです。 ロゴは「ミステリの未来を築き上げる『明日のトップランナー』が結集」。 今をときめく伊坂幸太郎の出世作『アヒルと鴨のコインロッカー』を皮切りに、あまり有名ではなく、けれど逆に楽しみな若手(小説家として)中心のラインアップ、また狭義のミステリに捉われない作風は、次は誰が何が来るのか、と楽しませてくれます。実際、このレーベルからメジャーになっている作者さんも多いとか少ないとか。レーベルとしてありがちな、作品刊行ペースの停滞などもなく、講談社の「ミステリーランド」と並んで、ミステリの中で今最も元気のあるレーベルでしょう。 ということは僕の実生活とは何の関係もないわけですが、刊行冊数も35冊、僕の本棚に占める青色の単行本の割合も微妙に目立つようになっている今日この頃、せっかくなので面白度ランキングでも作ってみました。評価基準は「僕にとって小説として面白いか」の一点。しかも、刊行が続くことが予想され、また僕の評価は季節や気分でかなり変動するので、リアルタイム更新にすることにしました。完全に停まっているメフィスト賞のページとでもそのうち差し替えてみましょう(笑) ということで、少しずつ更新させて完成させていければいいなページでも、気分を変えて作ってみることにします。また本の話題かよ、という方はすいません。 2007.8.2時点で刊行冊数35冊、うち読了数22冊。けれど、いっぺんに22冊の順位付けをしても一回で終わってしまうし、なにより、最近とどこおりがちな日記の更新を、ちょっとずつでも再開できればと思いまして、一回につき一冊ないし二冊くらいずつで順位付けしていきたいと思います。順番は、刊行順。書いてて段々楽しくなってきました(笑) てなわけで、今回は宣言まで。もう少し頻繁に更新できるよう、頑張ろう(本どうこうより、そちらが本音でした)。 |
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7月31日(火) | さりげなく。 今年の夏も旅行に行こうと思っているのですが、昨今のユーロ高はどうにかならないものか。。。 参議院選挙⇒自民党惨敗⇒政局混乱⇒それを嫌う外国人投資家の円売り⇒またユーロ高。 うぐ。 恩田陸 『蛇行する川のほとり』 (中公文庫) 評価:3。 恩田陸 『象と耳鳴り』 (祥伝社文庫) 評価:3。 恩田陸 『ネバーランド』 (集英社文庫) 評価:4。 久綱さざれ 『神話の島』 (東京創元社) 評価:5。 |
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7月21日(土) | 続きます。 今度は会社の同僚がご結婚。おめでとうございます。 ミスチルに乗せてスクリーンに映された写真VTRが素晴らしすぎて涙腺が緩みそうでした。 福田栄一 『A HAPPY LUCKY MAN』 (光文社文庫) 評価:4。 万城目学 『鴨川ホルモー』 (産業編集センター) 評価:4。 古川日出男 『アラビアの夜の種族T、U、V』 (角川文庫) 評価:4。 三津田信三 『禍家』 (光文社文庫) 評価:2。 宮部みゆき 『ICO』 (講談社) 評価:4。 |
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7月16日(月) | ビリー・ザ・ブートキャンプ。 天災ばっかりで、憂鬱になります。 映画が観たい。映画館で久しく映画を観ていない気がします。映画館で映画を観るという行為がとてもしたい。。。 泊まりの研修先で、巷で噂のビリー・ザ・ブートキャンプを持ってきた同期がいて、盛り上がって全員でやってみました。噂どおり、効きます。腹筋の痛みは三日間取れません。着ている服は洗濯機に直行です。でも何より、十数人で舞う社会人の様子は異様だったに違いない。僕らを見て無言で逃げていった警備員さんの心中はいかに。 森見登美彦 『夜は短し歩けよ乙女』 (角川書店) 評価:5。 芦原すなお 『カワセミの森で』 (理論社) 評価:3。 早見裕司 『満ち潮の夜、彼女は』 (理論社) 評価:3。 柄刀一 『レイニー・レイニー・ブルー』 (光文社文庫) 評価:2。 古野まほろ 『天帝の遣わせる御矢』 (講談社ノベルス) 評価:3。 佐藤友哉 『1000の小説とバックベアード』 (新潮社) 評価:2。 三津田信三 『首無の如き祟るもの』 (光文社) 評価:5。 ほしおさなえ 『ヘビイチゴ・サナトリウム』 (創元推理文庫) 評価:2。 山口雅也 『日本殺人事件』 (創元推理文庫) 評価:4。 川上健一 『地図にない国』 (双葉文庫) 評価:3。 伊坂幸太郎 『チルドレン』 (講談社文庫) 評価:5。 飯田譲治・梓河人 『Gift』 (講談社文庫) 評価:2。 |
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7月14日(土) | 夏の旅行、行き先がかぶる。 職場の係員は4人なのに、3人が同じ場所に行く予定であることが発覚。 ヨーロッパ流行っているのか。ユーロ高すぎるけどなあ。 ※ 『ハチミツとクローバー』を観る。最初に出てくる絵と引用がすごくいいと思う。 『ゲド戦記』を観る。思ったよりは悪くなかった。 ※ 瀬尾まいこ 『幸福の食卓』 (講談社文庫) 評価:4。 小路幸也 『空を見上げる古い歌を口ずさむ』 (講談社文庫) 評価:3。 小野不由美 『黒祠の島』 (新潮文庫) 評価:3。 石持浅海 『月の扉』 (光文社文庫) 評価:5。 石持浅海 『水の迷宮』 (光文社文庫) 評価:4。 伊坂幸太郎 『グラスホッパー』 (角川文庫) 評価:2。 梨木香歩 『村田エフェンディ滞土録』 (角川文庫) 評価:4。 東野圭吾 『ちゃれんじ?』 (角川文庫) 評価:3。 |
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7月11日(水) | 親が新型体重計を買ってきたので。 試しに乗ってみました。 体脂肪率 : 8.6% 基礎代謝年齢 : 16歳相当。 身体絞りすぎてないか自分。 本多孝好 『真夜中の五分前 side-A、B』 (新潮文庫) 評価:4。 この人の文章は、嫌いじゃない。けっこう好み。 |
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7月1日(日) | 友の結婚式。 おめでとう。本当におめでとう。 恩田陸 『ドミノ』 (角川文庫)評価:4。 東京駅には、数多の人々が、お互いを知らずすれ違う。時間に追われた保険会社員、オーディションを受ける子役の卵たち、サークル活動の学生、別れ話を切り出す男性、切り出されることを予想する女性、来日した映画監督、得たいの知れないペット、正体の怪しい俳句仲間、東京駅爆破を狙うテロリスト……。彼らが偶然に東京駅で交錯したとき、偶然は偶然を呼んで、事態はあらぬ方向へ走り始めて。27人と1匹の主人公、真夏の東京駅で演じられる、収拾不可能のパニックコメディ。 小林泰三 『忌憶』 (角川文庫)評価:1。 この世のものとは思えない、不可思議な記憶を持つ男性。腹話術に魅入られる恋人を持つ女性。記憶障害に陥り、過去をノートに刻み続ける男性。交錯する三人が織り成す、記憶の妄執。 どうやら僕にはホラーというジャンルが肌に合わないらしい。 土屋賢二・森博嗣 『人間は考えるFになる』 (講談社文庫)評価:3。 森博嗣と土屋賢二、二人の教授助教授が行った対談集。二人のほかの作品、そのまんまな作者像。 宮下誠 『20世紀絵画 モダニズム美術史を問い直す』 (光文社新書)評価:4。 20世紀絵画とは、何なのか。一見訳の分からない抽象絵画、一見分かりやすい具象絵画。二本の軸を、一作品ごとに解説を加えながら考察していく概説書。 具象/抽象の二項対立で絵画を捉えることの危うさを説明するために、あえて二項対立で進むストーリー。著者本人は分かりやすく書いたと言っていますが、僕には難しかったです。難しかったですが、以前読んだ美術概論とはまた違う切り口で捉えられていたり、旧東ドイツの絵画が後半の軸として紹介されていたり、斬新で面白い。 |
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2月25日(日) | 世界は、二種類の人間に分けられる、のだろうか。 アカデミー賞を何の映画がとったのか知りたいのだけれど、ニュースで全くやらない。。。 「バベル」という映画が、一体どういう筋の話なのかさっぱり分からなくて、広告にも何も書いてなくて、それがため天邪鬼的に観てみたいです。 というか、最近映画全然観ていません。誰か、「どろろ」とか観にいきませんか。。。 辻村深月 『ぼくのメジャースプーン』 (講談社ノベルス)評価:4。 「Aをしろ。そうしなければ、Bになる」。ちょっと不思議な能力を持つ小学生の僕。クラスの人気者だったふみちゃんが、陰惨な事件によって心を壊したとき、僕は何をするべきなのか。罰を与える者と、与えられる罰の物語。 個人的お気に入りの作家さんなので贔屓目ですが、今作も素敵な物語。力を持つ小学生が、ひたすら「罰」について考え悩むため、物語に起伏があるわけではないのですが、本来「考えても仕方ない」ことを誠実に考え抜くのは新鮮。最後に主人公が選んだ「罰」も、心に響くものがあります。 森博嗣 『奥様はネットワーカ』 (講談社ノベルス)評価:2。 大学の工学部で頻発する事件。誰が犯人なのか、何が起きているのか。六人の視点が目まぐるしく変わる、とても森博嗣っぽいミステリ。 珍しく、思考が理系っぽくない人々の物語。ミステリ的に明かされる真相は驚きが大きいですが、物語としては、あまり魅力的でないかも。 関田涙 『晩餐は「檻」の中で』 (光文社)評価:2。 死刑制度の問題から派生した仇討ち公認制度。「檻」と呼ばれる建物の中で、事件の犯人とと遺族、検察官や一般人といった7人の人間が、72時間を過ごす。被害者が犯人を殺害することが出来れば、仇討ちとして殺人が認められる。ただし、7人はお互いの正体を伏せていなければならない。 奇妙な制度「仇討ち制度」による「檻」の中の物語、他方売れない作家である「俺」の日常の物語。二つの物語が並行して語られます。設定は奇妙で魅力的だったのですが、結論から言えばイマイチ。せっかく「檻」という特殊な環境を用意しているのだから、もっと「檻」に特化した物語が読みたかったのに、どうも、物語の主眼は違うところにあるようで。 |
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2月21日(水) | 旅行に行きたい。 上橋菜穂子『狐笛のかなた』 (新潮文庫)評価:4。 中世日本のような世界。彼の世と此の世の間の世界<あわい>に住み、主に隷属し使い魔として生きるしかない霊狐“野火”。人の心が聞こえる<聞き耳>の力を持ち、幼くして母を亡くし産婆の介添えとして働く少女“小夜”。一匹と一人が出会ったとき、国をまたぐ運命の歯車が廻りだす――。 和風ファンタジーベースの恋愛小説。野間児童文芸賞受賞。宮部みゆきと金原瑞人が絶賛している以上当たり前ですが、普通に面白かったです。狐と人との交流、その中で立ち現れる様々な人々の想いといったものが、鮮烈に心に残る作品。子供のときに出会えたらきっと幸せな一冊、みたいな感じです。 |
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2月17日(金) | 明太子ラプソディ。 九州出張から戻ってきました。途中、おぎやはぎの小木に会いました。「まじやべえ」を連呼していました。 黒田研二・二階堂黎人 『千年岳の殺人鬼』 (光文社文庫)評価:2。 ベタベタな推理小説。オーストラリアから千年岳にスキー旅行に来た一行。その頃、千年岳では行方不明者が続出、さらに十日前からタイムワープしたと証言するもの、十日前にタイムスリップしたと言い張るものも現れていた。一行はへリスキーの途中とある理由で遭難するが、そこで連続殺人に巻き込まれる。そこでは、事件について起こる全てのことが記された日記まで登場し……、という、なんというか一昔前の金田一少年のような話。 タイムスリップや未来日記のネタについては予想通り、捻りもなく。プロットに仕掛けられたネタ、小ネタは面白いものの、なんというか(笑) 浅暮三文 『実験小説ぬ』 (光文社文庫)評価:3。 ファンタジー小説家による、実験小説と異色短編集を併せた短編集。 実験小説とあるとおり、一般の小説とはかなり趣向の違うものが並びます。記号・絵・文字などを駆使し、構成を工夫し、非常に面白いものになってます。お勧めは「カブス・カブス」。 |
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2月12日(月) | それぞれの場所。 猫のテリトリーは気紛れ、らしい。 気紛れだけれど、不可侵なので、上空から眺めれば、皆で群れているように見える。 離れているようで、近くにいることが、理。 少し、ほっとしませんか。 古泉迦十 『火蛾』 (講談社) 評価:5。 12世紀中東、ムスリムの聖人列伝を収集する主人公が出会ったアリーと名乗る男は、奇奇怪怪な物語を話す。荒涼とした≪山≫、姿を見せない導師と四人だけの修行僧がいる世界で、巻起こる殺人。2001年本格ミステリ・ベスト10第2位。 イスラム世界を舞台にした、イスラム教特有の論理のもとに展開されるミステリ。幻惑的な文体と語られる教義がマッチして、とても面白いエンターテインメントになっています。一つ残念なのは、この作者、この一作を著したあと、今日までずーっと沈黙していること。どうしたのかな。 岡嶋二人 『ちょっと探偵しませんか』 (講談社文庫)評価:1。 推理パズルみたいな問題×25。復刊版、みたい。 問題は短いなりに捻ってあってショートショートみたいで面白いのですが、解答は脱力するものが多い。それも、何でこんなことに気付かなかったんだ、というものではなく、ふーん、という感じ。お勧めは、「ご注文は、お決まりですか」と「煙の出てきた日」。 |
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2月9日(金) | You, you, you, even me. ディカプリオは、若いときは凄く格好良かったと思う。 シュペルヴィエル 『海に住む少女』 (光文社古典文庫) 評価:3。 ウルグアイで生まれたフランス人による短編集。ファンタジーを土台に、ほんのりとした毒を薄くまぶした物語群。 個人的お勧めは題名の「海に住む少女」と、「飼葉桶を囲む牛とロバ」、「ノアの方舟」。“フランスの宮沢賢治”は、言い得て妙。 柳広司 『饗宴』 (創元推理文庫) 評価:4。 牢に入ったソクラテスに脱獄を勧めたクリトンを主人公に据えた、仮想アテナイ物語。アテナイに巻き起こる異常な連続殺人、事件の背後に見え隠れする“ピュタゴラス教団”の影。スパルタの影響下、かつての繁栄から墜ちていくアテナイで、ソクラテスは事件の謎を解くことが出来るのか。 実在の歴史を舞台にしたミステリとして、文体や言葉遣い、物の表現、登場人物の物の考え方までが緻密に作られていて、普通に歴史小説として面白い。加えて、「はじまりの島」や「新世界」同様、その時代、その世界だからこそ成立する事件がミステリとしても○。エンターテインメントの鑑。 |
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2月6日(火) | ほっぺたから横隔膜まで。 風邪につきノックダウン。また仕事が溜まっていく。。。 ジェフリー・ディーヴァー 『クリスマス・プレゼント』 (文春文庫) 評価:3。 映画化された半身が不自由なライム・リンカーンシリーズの作者による、短編集。全編にサプライズを仕込んだと前書きで宣言。 宣言どおり、各物語にツイストが仕掛けられていて、ラストで驚かされることしばしば。これだけ連続で同じような物語を読まされると、少し飽きがくるのが難点。お勧めは「三角関係」。 北山猛邦 『少年検閲官』 (東京創元社) 評価:5。 書物が焚書により駆逐された世界。書物の形すら知られない世界で、旅をする主人公と、焚書に携わる少年の、二人の出会いの物語。 これは、予想外に面白かったです。島田荘司のようなぶっ飛んだ謎を、決して煽るのではなく静かに展開させて、想像の範囲外に落としていく。ミステリのモチーフである「首切り」の理由について、というよりそこから派生する論理について、これは凄い。小説としては、少し文章がこなれなくてあれですが、ミステリとしては◎。去年発売されていたとしたら、ミステリ1位に推し得る作品だと思います。 |
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2月3日(土) | 見つからなかった探し物は、ポケットに入っていました。と とっても今更ではありますが、あけましておめでとうございあます。 とりあえず生きています。 ちょっと仕事でテンパっています。 さて、大分前の話にはなりますが、今年最初の更新なので。 ミスチルの限定新曲『フェイク』を買いました。映画どろろの主題歌ということで。限定発売なのは、3月にアルバム発売を控えているからなのかな。 これがまた、物凄く格好いい一曲です。 サビで刻むリズムが最高です。 あと、さり気なくCDと歌詞カードに仕込まれた「フェイク」の仕掛けが面白かったです。特に歌詞カード。笑えました。 ルイス・サッカー 『穴 HOLES』 (講談社文庫) 評価:5。 空から降ってきた有名野球選手のスニーカーを、盗んだものとして疑われ、少年院代わりにグリーンレイク・キャンプに送られた少年。そこでは、毎日夜も明けぬ朝から穴を一つ掘るという役務が与えられているという――。 後半にバチバチとパズルピースが嵌っていく様子は、伊坂幸太郎的で感動です。児童文学の名作ということで、これまで全然知らなかったのですが、続編も読んでみたい。人に薦められる傑作です。 |