10月29日(日)

恩田陸 『夜のピクニック』 (新潮文庫) 評価:5。

ロバート・E・ネイサン 『ジェニーの肖像』 (創元推理文庫)評価:3。

泡坂妻夫 『乱れからくり』 (創元推理文庫)評価:2。

歌野晶午 『世界の終わり、あるいは始まり』 (角川文庫)評価:3。

乙一 『失はれる物語』 (角川文庫)評価:4。

町田康 『権現の踊り子』 (講談社文庫)評価:2。

柳広司 『新世界』 (角川文庫)評価:4。

ジェラルド・カーシュ 『壜の中の手記』 (角川文庫)評価:3。

G・ガルシア=マルケス 『予告された殺人の記録』 (新潮文庫)評価:2。

古処誠二 『接近』 (新潮文庫)評価:5。

古処誠二 『アンノウン』 (文春文庫)評価:2。

瀬名秀明編 『贈る物語WONDER』 (光文社文庫)

北國浩二 『夏の魔法』 (東京創元社ミステリ・フロンティア)評価:4。

山田正紀 『ミステリ・オペラ上』 (ハヤカワ文庫)評価:2。

山田正紀 『ミステリ・オペラ下』 (ハヤカワ文庫)評価:4。

東野圭吾 『容疑者Xの献身』 (文藝春秋)評価:4。

高楼方子 『十一月の扉』 (新潮文庫)評価:2。

安井俊夫 『犯行現場の作り方』 (メディア・ファクトリー)評価:3。

津原泰水 『ブラバン』 (バジリコ株式会社)評価:4。

リズ・ジェンセン 『ルイの九番目の命』 (ソフトバンククリエイティブ)評価:2。

篠田真由美 『玄い女神』 (講談社文庫)評価:5。

西澤保彦 『ファンタズム』 (講談社文庫)評価:3。



10月26日(木) 祝日ハム!


――というわけで、毎月祝日にしか提供されない極上のハムの話です。


そんなわけはなく、日ハム優勝おめでとうございます。
運よく仕事が早く切り上がり、5回途中から観戦することが出来ました。
今まで特に日ハムのファンというわけでもないのに、何か感動してしまいました。
やっぱりスポーツの感動というのは分かりやすくて良いです。
こうやって俄かファンは増えていくんですね。


 まあ、若くて格好いいピッチャーと、大リーグから帰って来た引退確定の選手と、サングラスの良く似合うダンディな監督のチームに、顔の濃いピッチャーと、横浜から去ってしまった悲しい選手と、醤油と味噌が似合いそうな監督のチームじゃ、試合前に負(暴言につき自粛)


10月21日 草もち。


九州に行ってきた親がお土産に草もちを買ってきてくれたのですが。
その商品名がなんとも。

「土井の田舎、草もち」。

略してド田舎、って気付かなかったのだろうか。



道尾秀介 『シャドウ』 (東京創元社)評価:4。
病死した母親の告別式で、小学生の凰介は不可思議な幻覚?に襲われる。眼に浮かぶ奇妙な映像――そしてそのときから、形のない不安感が、微妙な日常の齟齬が、凰介の周囲を覆い始めて――。
背後からゆっくりと忍び寄る霧のような物語。シャドウというタイトルが持つイメージが的確。謎解きとかミステリ部分については決してすごくはないものの、小説として非常に綺麗にまとまっている物語。ラストはかなり切なくて、ちょっと感動してしまいます。


柳広司 『はじまりの島』 (創元推理文庫)評価:4。
19世紀、ダーウィンの著した『種の起源』は、進化論というそれまでの世界観を崩壊させるに足る概念を唱えた。なぜダーウィンはかくも恐ろしい考えを抱くにいたったのか。疑問を呈した神父たちに、かつてダーウィンと共に世界周航に出た画家が語りだす。かつて、彼らは魔の島ガラパゴスで、あの異様な事件に遭遇したのだ――。
ということで、実在の人物たちを使ったフィクションミステリ。魅力的な人物達、ウィットに富んだ会話、読みやすい文体、衝撃の結末、など、過不足ないエンターテインメント作品。素直に楽しめる作品。


1012 ネタ1――大阪日帰り旅行10/1(日)


何も汚すことはしていないのに、部屋にはほこりが溜まっていきます。
何も汚すことはしていないのに、週末には部屋に掃除機をかけないといけません。
生きていることは掃除をすることに近しいのだそうです。
粛々と黙々と掃除をしなければ。
ということで溜まってしまった出来事を一つずつ消化していきましょう。

10/1(日)は早起きして日帰りで大阪に遊びに行きました。
数日前、9月がまもなく終わろうとするころに、ああもうあと3ヶ月で今年も終わってしまう今年の僕は何をやったんだろう何かが足りない何かをやらなければ、と無駄にあせって、どういうわけか日帰り旅行に行ってきました。

大阪の目的は2つ。
太陽の塔を見ること、そして演劇を見ること。

朝、普段の会社よりも早い時間に起きて新幹線で一路大阪へ。9時半に大阪に着くまで、ずっと雑誌の原稿を書いていた自分は偉いと思った(その労力をほかの事にも発揮できないだろうか……)
大阪は生憎の雨。けれど、「雨の中の太陽の塔」というのも言葉の響きとして観てみたかったので良しとして。
……なんて考えていたらどえらい豪雨になりました。
万博記念公園というところにそれはあるのですが、周りはまあなんというか高速道路に綺麗に挟まれた何もないところ。
公園の隣にはレジャーランドがあって、これがまた閑古鳥が鳴いている……。
そして豪雨。
誰もいないですね。万博公園の中は、ひたすらだだっ広い公園。何もない。誰もいない。すごい。雨の中屋内でバーベキューしている人々も、いまいち盛り上がってません。なんかこう、勝手なイメージで悪いですが、バブル崩壊のあおりをまともにくらったレジャー施設の夢の跡みたいな場所でした。
肝心の太陽の塔ですが、これは、まあ観てよかった、というくらいの気分にはなりました。
さる小説を読んで(そのままのタイトルの新潮文庫です)、その中で太陽の塔は僕らの理解を拒絶する素晴らしい何かなのだみたいなことが書いてあって、ちょっと興味が湧いていたのですが、確かに。
何かこう、捉えられない異形の物体でした。ともかくでかい。でかくて収まらなくて、常にはみ出している存在。36年経っても、未だに収まらないというのは凄いことです。


で、塔のあとは演劇。↓です。


   


 かなり土壇場でチケットを予約したのですが、着いてみれば最前列。非常に楽しめました。
 ストーリーは、アリスが時間の止まった世界の謎を解くために不思議世界に行くのだけれど、そこは実は……という感じで、予想外の結末、ユーモアとグロテスクさの混じった奇妙な世界が印象的でした。

 そして帰りはもちろん昏睡。翌日の仕事が辛いのなんの。


古川日出男 『サウンドトラック(下)』 (集英社文庫)評価:5。
崩壊していく東京、そこで生きる兄妹はそれぞれの戦いに身を投じて――ということで下巻。
何よりも圧巻なのは、東京のありうべき未来像。これだけ熱に浮かされた異様な東京像というのは、他で観たことがありません。その分、東京が力がありすぎて、兄の存在が霞んでしまったきらいもありましたが、これはお勧め。


デニス・ルイヘン 『シャッター・アイランド』 (ハヤカワ文庫)評価:3。
閉ざされた島へ向かう二人の刑事、待ち受ける驚愕の結末――ということで、帯がやたら煽っていたので気になって読みました。うん、確かに最後は驚きます。文章も読みやすく、けれど帯はいくらなんでも煽りすぎのような。驚くけど、ある意味ありがちなラストかも。あと、個人的にラストの終わり方はあまり好きでない。もっと分かりやすくハッピーエンドの方が良かったのでは。。。


フィリップ・リーヴ 『移動都市』 (創元推理文庫)評価:4。
荒廃した遥かな未来、そこでは都市間自然淘汰主義にのっとって、食いつ食われつ移動する都市と、移動に反対して同じ場所に定着する反移動都市同盟があった。主人公は移動都市ロンドンに住んでいたが、あるとき――。
僕はもともとSFというのがあまり好きではないのですが、これは面白かった。次々と現れるイメージ、もし都市が移動するならば、あれはこうなって、これはああなって、という作者の想像力がとにかく刺激的です。あちこちに現代の習俗と結び付けられたものがあって、世界の隅々まで考えて作られているんだな、と感心してしまいました(笑)当たり前です。


ロバート・A・ハインライン 『夏への扉』 (ハヤカワ文庫)評価:4。
タイム・トラベル・ストーリーの古典。
素直に面白い。猫が可愛い。予備知識なしに読んでほしい名作。


島田荘司 『切り裂きジャック・百年の孤独』 (文春文庫)評価:3。
英国ロンドンを震え上がらせた切り裂きジャック事件からちょうど100年、壁が崩壊する前のベルリンで、切り裂きジャック事件を模したような事件が起こった、という話。
作中で示される切り裂きジャック事件の真相については、斬新さで他の説と一線を画すものである一方、ミステリとしてならば想定の範囲内、というものかも。ちなみに装丁が少し格好いいです。


島田荘司 『ネジ式ザゼツキー』 (講談社文庫)評価:5。
記憶を保持できない患者、エゴン・マーカットが記した唯一つの童話、『タンジール蜜柑共和国への帰還』。そこには摩訶不思議な世界と、そして首がネジになった異形の人間が登場する――。
これは、本当にお勧めです。まず童話自体がとても魅力的。それにくわえて、この童話が分析され解体されていくと現れる全く別の世界、これが衝撃的。さらにそこから――ここしばらくで読んだミステリの中では、一押しです。新しいミステリの形、という文句がぴったし当てはまりそうな傑作。


9月25日(月) ダダは何も意味しない。


ELLEGARDENのアルバムが11月に出るらしい。

高校の母校から広報誌が来た。定期的に家に届く、OB全員に配布されている(と思う)小冊子。
いつの間にかカラーになっていた。時間を感じるよ。


古川日出男 『サウンドトラック(上)』 (集英社文庫)評価:4。
実の父親すら波に飲まれた嵐の中船にしがみついていたトウタと、母親との無理心中から偶然にも生還したヒツジコ。6歳と4歳の二人は同じ無人島に漂流する。そして物語は動き出す――。
とにかくカッコいい。幻惑的な文体、奔流するエネルギー、そして舞台となるヒートアイランド、東京。仮想近未来を舞台に繰り広げられる疾走の物語は、凄いの一言。拙い自分のボキャブラリーでは、他に中々表現できません。


9月24日(日) お台場クルージング。


小学生日記風。

会社の部屋のイベントで土曜日にボウリングとお台場クルージングに行ってきました。
ボーリングは一年ぶりくらい。なのに2ゲームで、ともに130! ……大したことないじゃんとか言わない様に。かつてガーター6連続の伝説を作った僕としては有り得ない素晴らしいスコア。隣では上司が数名170を出していましたが、そんなもの気になりません気になりませんとも。。
夕方からはお台場で船に乗って夕食。途中船外で釣り対決がありましたが、人生で初の釣り、もちろん一匹も釣れず。海風吹き荒ぶ中、いたずらに長い時間屋外にいたため、最後は凍死しそうになりました。


塚原史 『言葉のアヴァンギャルド――ダダと未来派の二〇世紀』 (講談社現代新書) 評価:4。
二十世紀的なもの、といえば例えば戦争、共産主義の台頭と消滅などがあるが、他にも「切断の意識」というものがあるのではないか、という視点からダダと未来派を分析する本。
平易な文章で厚くもなく、新書としては読みやすい本。けれどダダとか未来派とかに興味ないと手にとられないだろうなあという本。かくいう僕も調べ物の関係で読みました。本屋にはもう置いてなかったので図書館で。

芦原すなお 『雪のマズルカ』 (創元推理文庫)評価:2。
夫と死別して数年、夫の後を継いで探偵になった女性の物語。
これでもかというハードボイルド。そういう雰囲気が好きな人にはあうかも。ただ、物語の筋や展開が普通で、面白いけどぱっとしない印象を受けました。

島田荘司 『アトポス』 (講談社文庫)評価:5。
エリザベート・バートリの吸血鬼伝説、ハリウッドで続発する嬰児誘拐事件、徘徊する血顔の怪物、死海で起こる有り得ない現象……何が起こっているのか。
今まで島田さんの作品(占星術、暗闇坂、眩暈、魔神の遊戯など)は正直面白いけど普通かな、という印象を抱いていましたが、これは凄かったです。普通のミステリを読んだときに味わう「結局誰かが何かしたんでしょ」という醒めた視線を投げる隙間がどこにもなく。明かされる世界もあまりのスケールは圧巻。
特に素晴らしいと思ったのは構成。小説の半分を占める「前奏」、要所に挟み込まれる伝説奇譚などが全て最後に繋がってくる配置は見事です。


9月11日(月) 八景島に行ってきた。


週末に行ってきました。
水族館に行くこと自体物凄い久しぶり(たぶん中学くらい以来?)で、楽しめました。魚や海獣を見るのがあんなに癒されるとは(笑)疲れてるんでしょうか僕は。


三津田信三 『凶鳥の如き忌むもの』 (講談社ノベルス)評価:5。
大鳥様を奉るその島には、鳥人の儀と呼ばれる秘儀があった。秘儀中の秘儀であるそれが行われた十八年前、七人が掻き消え、ただ一人の生き残りは鳥女と呼ばれる化け物を見ていた。そして現在――。
民俗学ホラーとミステリの融合を目指す作者の作品。旧習的怖さが全編に漂い、時折背筋が凍りそうになります。しかも最後に待ち受ける結末は衝撃的。犬神家世界の好きな人にはお勧め。でも前作の『厭魅の如き憑くもの』は怖さという点でもっとお勧めです。


9月6日(水) 世界の人口が65億人を突破。


したらしいです。2050年には90億人を超えるそうな。

※以下駄文
地球レベルで考えると明らかに人口は過剰(だろうと僕は思う)。じゃあ手狭になったとき未来はどうなるのかと考えると、よく言われることとして恐らく二つの道があります。一つは生活区域を広げる、つまり宇宙に出て行くという方法。もう一つは限られた生活区域を無限に広げる、とまりバーチャルリアリティの世界を利用するという方法。
エネルギー消費的にはバーチャルリアリティの方が効率的ですが、実現可能性という意味では宇宙進出の方が高いと思います。というのも、ヴァーチャルリアリティはその世界自体を管理する“現実”世界に誰かしらが留まらないといけないわけで(永久機関は不可能だから)、留まる人と留まらない人との間に差が発生し、そこに齟齬が生じると思うからです。宇宙は、その気になれば皆飛んでいけるし(笑)
じゃあ僕はどう思うかといえば、多分どっちにもならないんじゃないかなあ(笑)なんかこう、適当に環境改善させて今のまま人は住み続けていく気がします。楽観的ですが。


鳥飼否宇 『樹霊』 (東京創元社)評価:4。
巨木は山を登り、ナナカマドは四度位置を変え、神木は土砂崩れに流されながら立ち続ける――この山村には何が起こっているのか、という話。全編を漂うほんわかムードと全てがパズルピースのように繋がる展開は、安心して読める佳作。


9月5日(火) 健康診断


健康診断の日だけ健康になるべきか、あえていつもより悪い生活をして底を知るべきか。


9月4日(月) And Then


 今日職場に行ったら卵から芽が出ていました。こう、もさもさと。
 普通芽が出るというと、葉っぱが両脇に開いた傘みたいな可愛らしいものを思い浮かべると思いますが、そして実際僕もそれを思い浮かべていたのですが、見てみると何か違う。
もさもさしてるんです。
 卵の殻の割れ目から、こう「芽1号はおれ!」「いやおれだって」「なんだとてめえ」「ねえどっちでもいいから早く出て後が支えているの」という感じで、生まれながらにして芽の大群が生存競争を演じているわけです。
 ……やっぱりずぼらに予備の種(芽が出なかったとき用に予備の種が袋に入っていました)を全部卵に放り込んでしまったのがいけなかったんでしょうか。


9月3日(日) 絶対自分の役回りではないはずなのですが。


 職場で植物の世話をしています。それも三匹。
 一匹目はサンセベリア。昨年12月に今の部署に移ったのですが、その際前の部署の先輩に「新しい小さい可愛い植物買ったからこれよろしく」と意味不明の押し付けでいただきました。マイナスイオンを放出する愛いやつらしいのですが、最近でかくなりすぎて、可愛げがなくなってきています。
 二匹目は赤い花。名前不明。一匹目をせっせと世話していたらいきなり先輩に「こいつ貰ったけど世話慣れてるよねよろしく世話しといて」とこれまた意味不明の押し付けで世話する羽目に。ちなみに当の先輩は植物の存在を完全に忘却されている模様。
 そして三匹目は、先日いきなり隣の先輩の机に出現した卵。なんでも卵の上部を割って水をやると中から植物が生えてくるらしい。何の植物かはよく分からない。先輩も「これなんだろう誰に貰ったんだろう」と首をひねっていますが結局育てることになりました。

 ……そのうち僕の机はジャングルのようになるんじゃないでしょうか。


9月2日(土) 芸能人を見た


先日仕事帰りに本屋に寄ったら、室井滋がサイン会をやっていました。
何で人だかりが出来ているのか分からず、エスカレーターに乗るためにズイズイ進んでいったら、いきなり目の前に本人出現。サインをお願いしている人一人ひとりと喋り捲っているのが印象的でした。
思い返して見ると、僕が実際に目の前で見たことのある芸能人というのは、テニスの試合の石田純一・石黒賢、街頭で立ってたホンジャマカ、あとは作家で村山由佳と綾辻行人くらいでしょうか。作家は芸能人じゃないか。ライブとかならミュージシャンは結構見ているんですが。フェスとかカウントに入れるのは駄目ですか。はい。


宇月原晴明 『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』 (新潮文庫)評価:2。
信長は実は両性具有だった――という視点から歴史観を引っ繰り返す物語。日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
発想と展開はすごく好みなのに、満載された薀蓄とそれに合うように作られた文体が少し苦手でした。



9月1日(金) No.13


 最近音楽を聴いてないなあ、何か聴きたいなあ、と考えて、ELLEGARDEN 『BRING YOUR BORAD!』 を買ってみた。ELLEGARDENは結構好きなんだけど食わず嫌いなところもあって、だからこれが彼らの何枚目のアルバムなのかなどはよく知りません。ただ友人が「ジターバグが一番カッコいい」みたいなことを言っていたので、その歌が入ってるCDということで。
で、感想。
 日本語歌詞よりはやっぱり英語歌の方が格好良さを感じました。ジターバグはサビの、特に入りの部分が一気にスピード感が増して格好いいんだけど、この曲で歌詞が英語だったらもっと良いのに、などと思ってみたり(素人考えですね)

 そういえば余談だけど彼らの最新シングル「Salamander」のPVを観て、やっとボーカルがどんな顔をしているのかが分かった。思ったより格好良くなかった。少しショックだった(笑)


ニコラ・モーガン 『月曜日は赤』 (東京創元社)評価:4。
曜日に色を感じたり、音楽に味を感じたり、という「共感覚」を手に入れた少年の物語。文章の修飾語が比喩表現かと思うほど独特なもので、分からないのに確かに分かるかのような不思議な美しさを持っています。作者は少し児童向けを視野に入れて書いたそうで、テーマは「言葉のチカラ」。タイトルに惹かれて衝動買いしたのですが、成功でした。


8月31日(木) ハンカチ王子


世間で大層ブームな斉藤くんです。
僕も甲子園は結局一回戦から試合結果を追いかけてしまいました。延長入って決着つかなかった決勝(1試合目)を一回から十五回まで観てしまいました。
それはともかく。
世間で大層ブームなハンカチですが。
そもそもハンカチってどれくらい売れるものなのでしょうか。ティッシュ箱とどっちが売れるもんなんでしょうか。日本人一人につき、ハンカチを何枚持っているのか。ハンカチ係数を求めてみたいです。
全人口比で割れば一人2枚くらいになるんではないかという予想。確かめようが、ありませんが。

……ハンカチを忘れて手洗いで困りながらそんなことを考えました。


柴田正良 『ロボットの心 7つの哲学物語』 (講談社現代新書)評価:4。

瀬尾マミオ 『あなたの知らない時間、知らない場所で』 (銀貨社)評価:3。

乾くるみ 『林真紅郎と五つの謎』 (光文社文庫)評価:2。

山田正紀 『カオスコープ』 (東京創元社)評価:5。

牧野修 『月光とアムネジア』 (ハヤカワ文庫)評価:3。

薩摩秀登 『物語 チェコの歴史』 (中公新書)評価:3。

山口雅也 『生ける屍の死』 (創元推理文庫)評価:4。

化野燐 『蟲猫』 (講談社ノベルス)評価:4。

化野燐 『白澤』 (講談社ノベルス)評価:2。

化野燐 『混沌王』 (講談社ノベルス)評価:3。

三雲岳斗 『聖遺の天使』 (双葉文庫)評価:4。


8月30日(水) PRAGUE


ということで、一週間でチェコに行ってきました。
ボキャブラリーの貧困さを露呈するようですが、すっげー楽しかったです。
首都プラハで4泊したのですが、街の雰囲気が綺麗。街の色が綺麗。
あと一週間プラハにいても飽きなかった。間違いない。まあ、その節には社会復帰できなかったでしょうが(笑)。

自分がまだ20代前半(後半になるのが怖いです(笑))だから思うのかもしれないけれど、今しかできない旅行というものもあるんじゃないかな、などと考えました。


8月12日(土) 洗濯。蒼の残影。


やっと取れました休暇、夏休み。
ということで、しばらく命の洗濯に行ってきます。
ボヘミアン。


7月11日(火) 健康生活の話。


完全座卓業務が続いているのを危惧して、健康生活を志向してみることにしました。
自分に課した課題は2つ。
@会社では飲み物はお茶(緑茶)にする。
A腹筋30――腕立て20――腹筋30のセットを寝る前にやってみる。

効果がすごい。
最初の三日くらいで一気に体が締まり、以後二週間。自分なりにいい体重体型が維持できています。
……学生時代は体に気を使うこともなかったのに、やはりサラリーマン座卓生活は病気的なんじゃないかと思う。


7月10日(月) 音楽の話。


何を今更と言われるかもしれないけれど、最近までジェームズ・ブラントの『back to bedlam』にはまっていました。
ヴィッツのCMで流れている歌です。「You're Beautiful」です。
シンプルながら胸を突く歌詞がお気に入りです。
英国のラジオではジェームズ・ブラントの曲を流すのを禁止したとか(それだけ流れすぎている)。

先日ミスチルの『箒星』(DVD付)を購入。DVDの小ドラマで出てくるバレエみたいなダンスがとても印象的。
でも歌は「You're Beautiful」の方が上だな、とか思ってしまったミスチルフリーク失格者でした。


7月9日(日) あまりに長く。


放置しすぎました。すみません。
ここまでくると一体何から話題にするべきなのか不明なので、とりあえず今夜のW杯の予想など。
1−1(PK3−1)でフランス、でどうでしょうか。
明日から更新再開します。取り急ぎ、これまで読み貯めた本の備忘録。
ちなみに、一番面白かったのは伊坂幸太郎の『重力ピエロ』。僕の中のスマッシュヒット作でした。


高階秀璽 『20世紀美術』 (ちくま学芸文庫)評価:5。

朱川湊人 『都市伝説セピア』 (文春文庫)評価:4。

中村航 『ぐるぐるまわるすべり台』 (文春文庫)評価:3。

多島斗志之 『不思議島』 (創元推理文庫)評価:3。

森見登美彦 『太陽の塔』 (新潮文庫)評価:2。

田中芳樹 『ラインの虜囚』 (講談社)評価:4。

柄刀一 『OZの迷宮』 (光文社文庫)評価:3。

ホセ・カルロス・ソモサ 『イデアの洞窟』 (文藝春秋)評価:3。

ドミニク・フェルナンデス 『シニョール・ジョヴァンニ』 (創元推理文庫)評価:2。

宮部みゆき 『ブレイブストーリー(上)』 (角川文庫)

宮部みゆき 『ブレイブストーリー(中)』 (角川文庫)

宮部みゆき 『ブレイブストーリー(下)』 (角川文庫)評価:4。

ジョナサン・キャロル 『蜂の巣にキス』 (創元推理文庫)評価:2。

池田清彦 『脳死臓器移植は正しいか』 (角川ソフィア文庫)評価:3。

有栖川有栖 『乱鴉の島』 (新潮社)評価:4。

アゴタ・クリストフ 『悪童日記』 (ハヤカワ文庫)評価:2。

伊坂幸太郎 『重力ピエロ』 (新潮文庫)評価:5。


5月23日(火) あの頃の未来にたった僕ら。

 最近めっきり聞かないオゾンホールの話題。南極の上空にぽっかり空いたオゾンホールの面積が小さくなっているようです。フロンガスの使用を制限した議定書の影響かそうでないのか、面積は年々減少傾向で、予測では2050年頃には穴は塞がるとか。そういえばオゾンホールに纏わる紫外線問題をよく耳にしたのはもう10年くらい前のはずで、そうするとあの頃の未来ではきちんと環境問題も一つ解決に向かっているわけで。同じようにあと10年くらいしたら温暖化とかも話題にならなくなって、代わりにまた別の何かが発生していたりするのでしょうか。


5月22日(月) 地平線に放り投げる何かを探して。

     

 レミオロメンの『HORIZON』を購入。歌詞のセンスが自分ととても合うのでお気に入り。個人的には1曲目の「スタンドバイミー」(入り方が格好いい。凄い格好いい)とシングル群が好き。「蒼の世界」は、“雨”のフレーズの使い方が自分と同じ志向で心地よいし、今更ですが「粉雪」は名曲だと思います。本当今更何をという雰囲気ですが、サビ以外の部分(ララライとか)が沁みる歌です。
 で、アルバムを購入したときにふと思ったけれど、何だかミスチルっぽい(妄想です)。「南風」→「蒼の世界」→「粉雪」という流れが、「cross road」→「イノセントワールド」→「Tomorrow never knows」と似てるし(似てない)、そういえば『HORIZON』の装丁は『アトミックハート』とそっくりじゃないか(そうでもない)!


乾くるみ 『匣の中』 (講談社文庫)評価:2。
雰囲気が好き。事件もハイレベル。でも陰陽道の解説に頭が痛くなった。


5月20日(土) 走ってます。


 着ているだけで汗が出るという発汗ウェアなるものを手に入れたので、健康のためここ一ヶ月くらい週に一回走ってます。大抵週末の土曜夕方になるのですが、これがまた凄い汗が出ます。ランニング後に両手を下に垂れると、手首のところから汗の滴が地面にぽつぽつ……というくらいの発汗量で、中に来ているTシャツは薄青から紺に変色。おかげで走った後は日射病にあてられたように不健康です(駄目じゃん)


有栖川有栖 『スイス時計の謎』(講談社文庫)評価:4。
ミステリと同時に小説しているところがこの作家さんの好きなところです。

鳥飼否宇 『昆虫探偵』 (光文社文庫)評価:2。
昆虫世界の話で、僕は虫が基本的に好きではないので結構きつかった(笑)

西澤保彦 『人形幻戯』 (講談社文庫)
「彼女が輪廻を止めた理由」という短編が一番のお気に入り。有栖川さんと同理由。

岸田るり子 『出口のない部屋』 (東京創元社) 評価:2。
もっとホラーテイストに持っていけば良かったのに、という素人の感想。


5月15日(月) もう4年前、ですか。


それと比べると自分の中でイマイチ盛り上がりに欠ける今回のW杯ですが。それはさておき。
メンバーが決まりましたね。僕は正直あまり事情を知らないので何もいえないのですが、MFの松井は少し見てみたかった気がしました。


5月14日(日) ロスト。


 出張から戻って夜7時に寝て気付いたら9時で、おお2時間で体力回復か僕もまだまだ若いなえへへと外見たらすごく明るくて落ち込みました。

         出張先で、朝とか夜とかに散歩。日本で唯一、堀が海水の水城だそう。


佐藤正午 『Y』 (ハルキ文庫)評価:3。
恋愛小説。ちょっと青春小説チック。
機本伸司 『神様のパズル』 (ハルキ文庫)評価:2。
コテコテの物理学小説。テーマのぶち上げ方は面白い。けど僕には100ページ辺りから物理学が意味不明。


5月7日(日) 怒涛のGW。


GWは個人的にやることがあったので、結局予定はほとんど入れてなかったのにあっという間に過ぎていってしまいましたとさ。まあそっちが終わったので良しとします。。。
そして来週はまた出張。仕事残しっぱなしだっていうの。まずいっていうの。でもいいや(逃避行)
今週の土曜からは頑張って毎日更新をするぞー。


黒田研二・二階堂黎人 『killer X』 (光文社文庫)評価:3。

有栖川有栖 『まほろ市の殺人 冬――蜃気楼に手を振る』 (祥伝社文庫)評価:2。

愛川晶 『夜宴』 (光文社文庫)評価:2。

芦辺拓 『グラン・ギニョール城』 (創元推理文庫)評価:4。

篠田真由美 『未明の家』 (講談社文庫)評価:3。

森村泰昌 『美術の解剖学講義』(ちくま学芸文庫)評価:4。


4月16日(日) 漸く出口が見えてきた。


年度末年度始めは物入りで、雑事に追われっぱなしだったけれど、それも明日からの出張で漸く一区切りが付きそうです。まあその出張が実はオオトリであって緊張しているのですが。
流されるのを厭わずに生きていくのは簡単だけど、立ち止まるには相応の努力が要るようです。「Around the World」を聞いていたら、結構響きました。ところで、日本人歌手がサビの部分を英語にしている歌とか昔結構あったけど、当時のアメリカ人は今の僕らがこの曲を聴いて受ける印象と似た思いを持ったのでしょうか。サビの一部だけ日本語って、結構不思議な感覚ですね。



読書量の増加は、そのまま仕事量の増加を表しています。

長野まゆみ 『東京少年』 (光文社文庫) 評価:3。

ジーン・ウルフ 『ケルベロス第五の首』 (国書刊行会) 評価:1。

フレッド・ヴァルガス 『青チョークの男』 (創元推理文庫) 評価:3。

柄刀一 『凍りのタナトス』 (文春文庫)評価:4。

綾辻行人 『びっくり館の殺人』 (講談社ミステリーランド) 評価:3。

綾辻行人 『鳴風荘事件』 (講談社文庫)評価:4。

二階堂黎人 『増加博士と目減卿』 (講談社文庫)評価:1。

藤岡真 『ギブソン』 (東京創元社)評価:5。

藤岡真 『六色金神殺人事件』 (徳間文庫)評価:2。

鯨統一郎 『ミステリアス学園』 (光文社文庫)評価:3。

米沢穂信 『夏期限定トロピカルパフェ事件』 (創元推理文庫)評価:5。

井上夢人 『もつれっぱなし』 (講談社文庫)評価:4。


3月21日(火) 長らくご無沙汰でした。


色々ことがありすぎて、しばらく更新が出来ませんでした。申し訳ないです。
放置要因1:風邪。
風邪でついに会社を休んでしまいました。おお、このクソ忙しいときに。結局下の風邪が長引いて、一週間くらいぐずついて、ぼーっとした日々でした。
放置要因2:旅行。
で、風邪引いているにもかかわらず、鳥インフルエンザ大国ベトナムにふらふらと行ってきました。詳細は後日、とりあえずトップページの写真だけチェンジ。
もともとはベトナムではない国に行く予定だったのですが、結果的にはベトナムはとても有意義な旅でした。旅行は癖になりそうです。
 ということで、しばらく連絡が付かなかった皆様、どうもすみません。明日には返信が(今日じゃないのか)。


藤野千夜 『ルート225』 (新潮文庫)評価:4。

三津田信三 『厭魅の如き憑くもの』 (原書房) 評価:4。

佐藤友哉 『エナメルを塗った魂の比重』 (講談社ノベルス)評価:2。





3月3日(土) 風邪引いた。


 仕事中に突然悪寒がして、そのうち身体のあちこちが内側から指圧されているようにだるくなって、500ミリのお茶を3時間で空にして、時々椅子にへたれこむ。咳や鼻ではなく、喉の風邪。
 きつい3日間でした。。。


 世界遺産学検定というものがあるらしい。今年6月に初めて開催される資格で、上級資格を取るとツアーコーディネートの仕事をやれるとかやれないとか。たぶん危機遺産の修復関係で必要な資金の獲得を、知床人気の時期を狙って仕掛けたのかしら。僕も受けてみようかな>しっかり罠に嵌っている人。


中村航 『リレキショ』 (河出文庫) 評価:4。


2月24日(金) 感動の演技。


 週明けは腰痛の男性とぎっくり腰の女性が増えるに違いない。


2月19日(日) はう。


 何気に色んな方が掲示板に来ていただいているようで、もっと日記を頻繁に更新しなさいと尻を引っ叩かれている気がしてなりません(笑)
 せっかくなので報告します。
 実はこの度晴れて結婚することになりました。
 嘘です。 そんな大きなイベントはありません。
 ただ、3月に超絶ビックプロジェクトを2つ抱えております。一つは言わずもがな、文芸誌ORE6号が発行されます。たぶん3月の29日あたりに。買うといいことがあります。というか買って(笑)
 もう一つは、まだ言えません。言えませんが、きっとHPのトップページが矢張り3月の下旬あたりに更新されるに違いない……って煽るのは大人気ないですね、反省。

 最近3日に一日くらい東京駅までぶらぶらと歩いて帰ったりしているんですが、結構あのあたり綺麗です。
 木にライトが巻いてあったり、お洒落な店が並んでたり。
 オフィス街だと侮ってたら、意外モダンな世界でした。




恩田陸 『麦の海に沈む果実』 (講談社文庫)評価:4。
前半の掴みといい舞台の設定といい、中盤にかけての物語運びはこの人は天才的だと思う。落とし方はちょっと気に入らなかった(あの雰囲気のまま落としてほしかった)けど、やっぱり次の作品も読みたいと思わせられる。さすが本屋大賞作家。

秋月涼介 『消えた探偵』 (講談社ノベルス)評価:3。
扉を潜ると異世界へ飛んでしまう――と信じている主人公の設定を、もっとうまく使ってほしかった。世界観は抜群なのに。

舞城王太郎 『熊の場所』 (講談社文庫)評価:3。
どう読んでもいつもの舞城節で、ドライブが掛かった文章はお気に入りなんだけど、個人的には短編より長編の方が好きかな。あと、出てくる男と出てくる女がそれぞれ皆同じに見えるのはなぜだ(笑)


2月16日(木) それまで興味なくてもオリンピックになると自然と燃える自分の単純さ。


 トリノオリンピックですね。
 メダル中々取れなくてちょっと残念ですが、一つ一つの種目を見てるだけで結構楽しめます。
 ……まあライブで観れたのはモーグルだけですが。
 それにしても、モーグルといえば里谷の金の長野時代しか記憶にない僕にとって、今回のモーグルのレベルの高いこと高いこと。だって飛んだり回転したりするんですよー←言いたいことを伝えきれない典型例。


2月5日(日) 喫茶店で午後の日差しを浴びてまどろんでみたい。


 最近連日立て込んできて疲弊。
 今日も午後から用事があったのですが、気力で午前中に展覧会に。
 新橋のボザール・ミューで佐久間真人さんという人の個展。
 この人、本の表紙絵をよく描いている人で(こちらとかこちらとか)今回「猫の描く街」という企画で開かれていたので、何となく興味を持っていってみました。
 結構良かったです。
 猫の目に映る街の景色というコンセプトで、微妙に湾曲した景色と、猫の後姿が何とも可愛い。
 まあ個展の場所が6畳くらいで、枚数も20枚くらいで、10分くらい見たら終わってしまうのがネックといえばネックですが(笑)時間の合間にふらっと立ち寄るといいかも。今週の日曜日までやってるみたいなので、良かったらどうぞ。ここで告知をやってます。


古川日出男 『ベルカ、吠えないのか?』 (文藝春秋)評価:5。
4頭のイヌより始まる軍用犬の歴史。とにかくやばいくらい圧倒的な迫力。こんなに圧倒的な小説は初めて。

島田荘司 『セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴』 (角川文庫)評価:3。
クリスマスのちょっといい話、という感じ。最初のクリスマスの民俗学がとても面白い。

ギジェルモ・マルティネス 『オックスフォード連続殺人』 (扶桑社文庫) 評価:3。
ゲーデルの不完全性定理とかのオンパレード、数学者世界が舞台の古きよきミステリ。みたいな。


1月29日(日) もう疲れた、誰か助けてよ。


 ↑ミスチルの「ランニングハイ」のサビって、文字で書くとすごいですよね(笑)
 おお、更新を10日もあけてしまいました。
 最近は自分の周りに色々な道が川のように流れていて、一つを掴むにも必死に手繰り寄せないといけないという感じです。しかもいっぱい。ぼーっとしていると全部流れていってしまう。
 
 最近色々あって、自分は折鶴を折るのがめちゃめちゃ早くなっています。
 折り紙はボケ防止にもいいらしい。。。
 ……別に友人の誰かが入院したとかそういうことではありませんよ。


朝倉卓弥 『君の名残りを(下)』 (宝島社文庫)評価:4。
平家物語の朝倉流ロマンスというか。しかしこの「時」というやつが自分には嫌なやつに思えて仕方なかった(笑)

古川日出男 『二〇〇二年のスロウ・ボート』 (文春文庫)評価:4。
東京からの脱出を3度図り3度失敗した“僕”の、エクソダスの物語。
やっぱり面白い。この人は他に似た小説を書く人が綺麗に一人もいないので、物凄い強みだと思う。


蘇部健一 『木乃伊男』 (講談社文庫)評価:1。
ミステリの構成とか絵を使った新機軸とか言う以前に、あまりに文章がひどいと思った。「六とん」のようにわざと狙うならともかく、小説として出すなら駄目じゃ……ないかな。


1月19日(木) 冷たい雨深まる季節、せめて僕らは傘差して。


 満員電車。電車の中は変わらず混み合う。
 線路との軋轢がもたらす振動は、押し合い圧し合いの人ごみを緩やかに確実に駆け抜けて、それはやがて誰もに到達するのだ。例外なく平等に配られるのに、きっと多くの人は歓迎していない。共産主義が立ち行かなかった歴史の証左が、こんな日常にある。
 巡ってきた揺れに流されながら、埒の明かない考えもまた男を巡る。
 男の前には小さなリュックを背負った少年がいる。男が乗ったときにはすでに立っていたから、彼是一時間は立ちっぱなしだ。少年の目の前には、黙々と音楽に聴き耽るサラリーマン。リズムに合わせて小刻みに体が振動している。その揺れもまた周囲に派生していく。座席を交代してやればいいのに。
 やがて電車は駅に到着し、人は寒風吹き荒ぶホームに吐き出される。
 少年も男も同じ駅で降りる。少年は必死に歩くけれど、その脇を黒いコートのサラリーマンが無情に駆け抜ける。少年はしたたかに肩を打つけれど、会社員は振り向きもしない。たぶん、ぶつかったことにも気付いていない。世界の見えない会社員には、日常の機微もきっと見えない。
 何とつまらない社会。男は思う。


 ここまで読んで「男」が管理人であると考えた人はきっと優しい。
 あるいは僕は、黒いコートのサラリーマンかもしれない。


クライヴ・バーカー 『アバラット』 (講談社ビレッジブックス)評価:3。
25の島からなる群島を舞台にしたファンタジー。全4巻だとか。長い。

朝倉卓弥 『君の名残りを(上)』 (宝島社文庫)評価:4。
朝倉流平家物語。まず発想がすごく楽しくて、そのまま惹き込まれます。上下巻でかなり分厚い(今やっと折り返し地点だ)けど、読んでいられるのが幸せかもしれない。

氷川透 『人魚とミノタウロス』 (講談社ノベルス) 評価:3。
途中までは、なんだかマンネリ的だなあと思ったけど、最後のエピローグでかなりほろりとさせられた。ミステリである以前に小説であることは、たぶん僕にとっては大切なのです。


1月10日(火) やじろべえになれなかった子供達。


 人間はどうして電車の中で寝るとどちらかに傾くんですかね。どうして万遍なく両方に傾かないんですかね。どうして僕にはいつもいつも人が凭れかかるんですかね。どうして僕も右側に集中的に迷惑を掛けるんですかね。すみません。謎だらけ。


1月9日(月) 三連休って素晴らしい。


 昨日は高校同期と新年会。
 新年会の前に来月下旬入稿予定の雑誌ORE編集作業をやっていて、一仕事した後ということで楽しく飲めました。いや飲み会でなお一大仕事が控えていたTさんには申し訳なかったですが。幹事なのに楽しんでました。(すみませんTさん)

 ということで昨日は朝7時半から夜1時までフル回転だったので、今日は確信犯的朝寝坊。冬って、布団が気持ちよすぎるのです。午後は必要品の買い物。この期におよんで金銭出納帳を買うことになるなんて。なんかサークルの2年生の頃を思い出して少し感傷に浸りました(会計でした)。

 明日から四日間仕事。その後も休日予定が結構びっちり。休日が立て込むと充実しているけど大変ですね。ふう。


1月6日(金) んふふふふ。


 彼の口癖を文字化しようと思うと意外に困難。
 ということで今更だけど古畑任三郎。実はお仕事に押されて僕は一話しか見ていないのですが、一話はとても面白かったです。展開は読めても最後のひねりは見抜けませんでした。

 最近の読書。
 今年一番初めに読んだのは、ちょっと時期を外したかもしれないけれどディケンズクリスマス・カロル』(新潮文庫)。評価?今更でしょう。あらすじ言わずもがな。心洗われる小説というのはいつ読んでもいいですね。
 『カリブ諸島の手掛かり』(国書刊行会)。評価:4ないし5。ミステリ短編集。カリブ諸島の雰囲気、当時の情勢、作者の訴えといったものが強く響いてきて良。ミステリ部分では、ラストの「ベナレスへの道」がワールドベスト級。
 自分の嗜好がミステリ以外に傾いてきているので、積読状態のミステリを解消するために乾くるみイニシエーション・ラブ』(原書房)。評価:3。確かに評判どおりの仰天作。読んだあと、衝撃の余韻以外ここまで何も残らないのもある種すがすがしい。半分くらい褒めてます。


1月4日(水) 青い火花。


 4日の時点でいただいた年賀状は6通、うち4つは会社関係。社会人の正月は寂しいね。僕だけとか言わないでくださいそこ。どうせ寝正月ですよ。

 仕事始めは三が日の生活リズムの破綻で身体がきついきつい。しかも係の関係で今日明日はもろに忙しい日。疲労。
 さてそんな苦労はきっと僕だけではあるまいという自己中思考で、皆さんに癒しの写真を紹介。アメリカに行っていた友人から貰ったんだけど、こんな可愛い写真を撮るやつだとは思わなかった(笑)


         


1月1日(日) あけおめことよろがしょーきょーが。


 新年明けましておめでとうございます。
 戌年、きっと僕の同期の方はほとんどが属される戌年、皆さんどんな正月を迎えられているのでしょうか。僕は戌年ではないので布団にくるまって不貞寝です。嘘です。
 折角正月ですし、今年の目標を考えて見ましょう。

 @トルコに行く。
 Aトルコに行けなくても海外に行く。
 B海外に行けなくても海の上には行く。
 C海の上には行けなくても海は見る。

 予防線張りまくり。

 ところで昨年読んだ本を書き忘れていました。備忘録。

 秦建日子 『推理小説』 (河出文庫)読了。評価:2。
 太田忠司 『予告探偵 西郷家の謎』(中公ノベルス)読了。評価:3。



               

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