DIARY


2005.10/1〜10/31



 10月。仕事と読書以外何もやっていないような気がする月。何か不毛。


10月31日(月) 11月の読書。


 計14冊。読書以外何もやってないかも。不毛。


10月30日(日) ほしのさなえ 『天の前庭』 (東京創元社ミステリフロンティア)読了。評価:?
展開についていけず、最後良く分からなくなりました。再読することにします。


10月29日(土) 氷川透 『最後から二番目の真実』 (講談社ノベルス)読了。評価:3。
 有名女子大に勤める友人に誘われ大学を訪れた主人公、そこで起きる事件。入り口にはヴィデオカメラ、建物内の全ての部屋のドアには開閉が記録されるシステム――異常とも言えるセキュリティを持つ建物で、セミナー室からは警備員の死体が現れ、屋上からは女子大生が吊るされる。誰にも不可能に思われる犯行はいかにして行われたのか……という話。
 なんですが、この作品で主題となっているのはミステリに付き纏う問題とされるゲーデル問題。ゲーデル問題が何なのか、はORE6号を読んでくれたに違いない皆さんには説明不要なので省きますが(笑) ゲーデル問題に対抗するべく筆者が打ち出した一つの案は結構示唆に富んでいて面白い。ミステリ的にも、かなり捻られていていいかも。


10月28日(金)
10月27日(木)
10月26日(水) 辻真先 『仮題・中学殺人事件』 (創元推理文庫)読了。評価:2。
 読者であるあなたが犯人です、という「読者=犯人」を冒頭でいきなり宣言。冴えない男子ポテトとモデル系女子スーパー、二人の中学生が事件に巻き込まれ……という話。
 この作品が書かれたのは結構昔で、その点では地味かも。「読者=犯人」という趣向も、面白いといえば面白いけど……「ふたりのシンデレラ」のときも思ったけど、僕はこういうアクロバティックを売りにして小説としては微妙だなーという話が合わないのかも。なんか、ふーん、そう、という感想を持ってしまう(笑)


10月25日(火) 綾辻行人 『黄昏の囁き』 (講談社文庫)読了。評価:3。
 兄が転落死、その死に不審を抱いた主人公は生まれた町に戻ってくるが、どうも閉ざされた記憶が関係しているようで、主人公は不意に訪れる記憶の“囁き”に翻弄され……という話。ではないかも。
 ミステリ作家の綾辻さんの実は本領であるかもしれないホラー的演出、幻想性を生み出す手腕を遺憾なく発揮された物語。記憶の囁きを執拗にリフレインさせることで生み出される雰囲気は一読の価値あり。ミステリ的には、まあ館シリーズを読んでいる人には物足りないかもしれない。今回のロジックは微妙にせこかった気がするし(笑)


10月24日(月) そういえば。


15日支給の給与明細が凄いことになっていました。
生まれてこの方こんな額のお金貰ったことないっす。こんな働いたこともないっす。
……いや噂では僕の勤め先とそう遠くない然る建物では月の残業が250時間だという不穏な話もあってしかも労勤の関係から150時間はサービス残業となっている友達の友達もいるとかどうとかでそんな方に比べたら自分は50%も働いてないから偉そうなこと言えんのですがまあ初めての経験ということでびっくりしました。


10月23日(日) 掲示板。


 以前使っていた掲示板ロケットBBSですが、お気に入りの掲示板がメンテナンスか何かで使用できない状態になっていました。なので掲示板はもう少しあとで。まああまり意味のないツールかもしれないけれど。掲示板ないとHPぽくないし。


10月22日(土) 短い間でしたが有難う御座いました。


 祝1周年。


 これから(があるなら)もよろしくお願いします。


10月21日(金) 掲示板が飛びました。


 知らせてくれたYOさん感謝。
 いやーあれですねー更新頻度も落ちてー当然見る人も減ってー書き込む母数も減ってー日記は本の感想しか載ってないしー今更何を書き込めというのかってー皆思うわけでー誰も書き込まなくなってー管理人も存在を時々忘れてーそりゃあ掲示板だって高飛びしたくなるもんです。
 ……すいませんでした(ぺこ)
 復旧はしばしお待ちを。


10月20日(木) 黒田研二 『硝子細工のマトリョーシカ』 (講談社ノベルス)読了。評価:4。
 絶頂期にいたアイドルが死亡し、僕の弟はその後追い自殺をした。それから一年、ミステリ作家で女優の彼女が生放送ドラマ「マトリョーシカ」を放映することに。生放送のドラマ中に放映中止を求める脅迫電話が、という筋書きのドラマ。しかしマトリョーシカを見る僕のもとへも実際に脅迫電話が掛かってきて――という話。
 ドラマ内にもう一つのドラマがある、という入れ子細工のようなドラマ。そこで起きる不可解な事件。設定は複雑で、それなりに考えて読まないと最後に驚けないわけですが、これは結構びっくりします。僕も最後に至ってもう一度読み直しました。この作家さん文庫化しないのかなあ。


10月19日(水) 水曜日。


 




10月18日(火) 大分待ちました。


 宮部みゆきさんの傑作『模倣犯』が新潮文庫から11月か12月に刊行みたいです。3分冊という噂。
『模倣犯』が単行本で出たときはちょうど自分の中で宮部さんブームだった時代で、「凄い読みたい」と思ったのだけど、当時はお金もなく(今もない)、図書館も凄まじい予約状況で、泣く泣く諦め。1年くらいして図書館では平気で借りられるようになったけど、今度は「もう少しで文庫になるだろうから待とうかな」などと欲が出て見送り。
 宮部さんの作品はどれも絶対2回以上、ものによっては5回も6回も読んでいるので、再読が必然みたいになっていて、だから自分の手元に置いておきたいんですよね。
 大分待ちました。やっと読めるんです。


10月17日(月) 浦賀和宏 『透明人間 UBIQUITY』 (講談社ノベルス)読了。評価:3。
 わたしの父は昔、雪の積もった神社で死んだ。現場には父の足跡しかなかった。それからの十数年、わたしの人生は悲惨で、幾度となく自殺を繰り返したけど死ぬことも出来なくて、そんなとき――という話。
 安藤シリーズの現時点の最新刊、なんでしょうか。入りは凄く静かで、“わたし”の内面がこれでもかと語られていきます。後半になると閉ざされた空間での不可能殺戮が展開するのですが、それでも静かな雰囲気は変わりません。
 結末のサプライズは――好みは分かれるかな、というもの。小説としては非常にうまくおさめた感じで、嫌いではないけれど、イマイチ乗り切れなかったかも。


10月16日(日)
10月15日(土) 倉阪鬼一郎 『四重奏Quartet』 (講談社ノベルス)読了。評価:3。
 禍々しい館、そこに登場する数多の人々、全員に宿る狂気。一体全体この館で何が起こっているのか、という話。
 とにかく何が起こっているのか途中まで分かりません。なんというか、粗筋の説明の仕様がないくらい物語は錯綜していきます。最後に現れるネタは驚愕サプライズ系で、それ自体は凄く面白いのですが、その扱い方がイマイチ、でした。何が起こっているのかがよく分からないまま物語は突き進むし、最後に何かが待っていると言われなければ、とてもじゃないが読み続ける気力が持ちませんでした。ネタは、確かに凄いですよ。


10月14日(金)
10月13日(木)
10月12日(水) 西澤保彦 『黒の貴婦人』 (幻冬舎文庫)読了。評価:4。
 「タック&タカチ」シリーズ短編集。長編で綴られる一大物語の隙間隙間を埋めるような作品集。
 各短編を、このシリーズを全く知らない人が読むと、面白いものの、イマイチ味気ないかもしれない。けれど、シリーズを順々に読み進んできた人にとっては、これは堪らないのではないでしょうか。『依存』にて壮絶ともいえる展開を見せたシリーズのその後が垣間見える「夜空の向こう側」が、かなりぐっと来るストーリーでした。それにしてもウサコ視点というのは、実は必然だったんだろうなあ。


10月11日(火) 氷川透 『密室ロジック』 (講談社ノベルス)読了。評価:2。
 コンパのために集まった社会人、その集合場所であるオフィスで、人の視線を縫うような殺人事件が起きる。一見通り魔的な犯行、だけど論理的に考えると不可能状況が浮かび上がってきて、という話。
 最初はなんでもない事件なのに、論理的に思考すると不可能状況に陥る――考えられないような状況。論理で生成する不可能状況を論理で打開する、という視点はとてもユニーク。だけど、肝心要の解決がいまいち。ゲーデル問題を取り上げてこれは安楽椅子探偵ものなので真実であることは保証されません、みたいな意見が作中に出てくるけど、これは穴があるんじゃないかと感じるというか、若干腑に落ちない感じでした。いや、穴が確認したわけじゃないんですが、印象(笑)。たぶんあえてやっていることなんだろうけど、それでも真実と保証されないこと自体を主眼に持ってきて何らかのアクションを起こさないと、ただのお粗末なパズルになるし、たぶん『真っ暗な夜明け』で感じたような緻密さが足りないのではないか、などと文句タラタラですが、結構お気に入りの作家さんになりそうでした(とフォロー)。
 なんか上の文章凄く自分が偉そうで嫌ですね。ですが、まあ、読了後の正直な感想ということで。


10月10日(月) 氷川透 『真っ暗な夜明け』 (講談社ノベルス)読了。評価:4。
 久々の同窓会に集まったバンドのメンバー。盛り上がる飲み会、しかしその帰り道、地下鉄の駅構内で仲間の一人が撲殺死体で見付かって……という話。
 評判は聞いていましたが、文庫化するんじゃないかと期待してずっと手に取らなかった人。誘惑に負けました。論理だけを主眼に置いたミステリ、だけどチマチマしているだけじゃなくて、論理展開そのものに驚きを得られる作品。
 小説としても結構好みで、この人の作品はこれからも読みたいと思わせてくれました。


 ちょうど三連休で見事にダウン。風邪? 日曜日は一日布団から出れませんでした。
 身体を動かすのもどうかと思ったので布団で本を読んでいたんだけど、体調悪いと眠くなるのがお約束、昨日読んだ霞さんの本は12回くらいに細切れにして読んだので、だから印象も良くないのかも(笑)
 倒れたのが休みの間で良かった、いや休みだから身体の力が抜けて倒れたのかな?>はい、上の本はこんな論理展開序の口のガチガチの論理小説でした。


10月9日(日) 霞流一 『首断ち六地蔵』 (光文社文庫)読了。評価:3。
 お寺に並ぶ六つの地蔵の首が切り取られた。首が置かれた場所では必ず殺人事件があって、というお話。
 連作短編集の形で、お話を6つの殺人事件で区切って短編形式にしているのだけど、そこはミステリ連作、最後にはとんでもないどんでん返しがある。どんでん返し自体も凄いし、個々の事件パートでの「毒入りチョコレート事件」式珍説奇説の推理応酬も凄いし、一つ一つを取り上げればすごく好みなお話なんだけど、なんだけどなんだか、肌に合わなかった。たぶん相性でしょう。


10月8日(土) 映画日。


 DVDで(笑)。
 先週観た分も含めて感想。

 『カンフーハッスル』……少林サッカーと違って、主人公の立ち位置が中途半端で、微妙だった気が。
 『笑いの大学』……結構面白かった。けど、2時間ドラマの枠を出ないんじゃないかな、とも思った。
 『キル・ビル1』……まあまあ。でも2はいいや(笑)。関係ないけど日本語でやたらしゃべっている部分って、アメリカでは字幕になっているのかな。
 『約30の嘘』……これは個人的だけどお勧め。配役で重要度が分かる気がするのは気のせいだろうか(笑)


10月7日(金) 積木鏡介 『芙路魅』 (講談社ノベルス)読了。評価:4。
 19年前から度々起きる残虐な殺人、現場には確実に死んだはずの人間の指紋が残り……というような話。たぶん。
 若干ホラー掛かった作風で、最後はミステリ。メイントリック一発に依拠した作品だけど、結構麻耶雄嵩さん的ですき。


10月6日(木) 藤岡真 『ゲッベルスの贈り物』 (創元推理文庫)読了。評価:4。
 謎のアイドル“ドミノ”を探す「おれ」と、有名人を次々殺害する殺し屋「わたし」、二人の物語が並行する。二つの物語はどこでどのように交錯するのか、という話。
 作者さんが「自分が読みたいものを書いた」ということで、これでもかとトリックやサプライズネタがテンコ盛り。妙に安心して読めるような話。


10月5日(水)
10月4日(火) 佐藤友哉 『鏡姉妹の飛ぶ教室』 (講談社ノベルス)読了。評価:3。
 地震で突然崩壊した中学校、生き残った者は己の存在をかけてアイデンティティをぶつけ合う、みたいな話。ちょっと違うかな。
 ファウスト系作家が青春アイデンティティ小説を書くとこうなる、みたいな見本。荒唐無稽な人物設定、漫画的な展開、でも微妙に嵌りそうな気配。


10月3日(月)
10月2日(日) DVD。


 最近ツタヤに行くと以前に比べ結構DVDが借り残ってる気がするのは気のせいでしょうか。休日の土曜でも、結構どれも揃っているんですね、近所のツタヤ。


10月1日(土) 先月は11冊。


 通勤時間以外自分の時間がないって覚悟で頑張って読んでます。



               

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